溺愛CEOといきなり新婚生活!?
テーブルの端に置いていた携帯が鳴って、手に取った。
表示されているのは、雅哉さんの名前と番号だ。週末に連絡をくれるなんてとても珍しく、考えるよりも先に通話を選んでいた。
「……もしもし」
《花澄? ごめん、今話せる?》
「ちょっと待ってください」
さすがに永井さんの前で話すのは気が引けて、ソファから腰を上げようとしたら、腕を引かれて立ち上がれなくなった。
「いいよ、ここで話して」
携帯を当てていないほうの耳に、永井さんが囁く。
私は通話口を覆うように手を当てて、雅哉さんに声が漏れないようにした。
「でも」
「いいから。話しなよ」
かといって、永井さんが代わりにリビングから出ていく様子もない。
《……花澄?》
「ごめんなさい。どうしたの?」
《今度会えそうな日が決まったから、言っておこうと思って》
「本当に!? 嬉しい!」
思わず喜びを口にすると、隣にいる永井さんは私を見つめてくる。