溺愛CEOといきなり新婚生活!?
「小泉先輩、優しいじゃない。ちゃんと連絡くれて。デートの約束、できた?」
「今度の金曜か、その次の土曜に会います」
私がそういうと、永井さんはとてもやわらかな微笑みを見せ、自室にこもってしまった。
時計を見ると、いつの間にか昼下がり。十五時を回っていて、西日が射している。
私も自室にこもって、買ってあったファッション誌を眺め、今度のデートで何を着ようかと考えを巡らせた。
よかった。雅哉さんは私のことをきちんと考えていてくれる。
この前会った綺麗な女性も、本当にただの取引先の人。魅力的な大人の彼を持ったから、心配してしまうだけ。雅哉さんが言う“無駄”な私の心模様は、今度こそ明るい未来に救われるだろう。
夕食はどうしようかとリビングに出たけれど、永井さんの姿はない。
まだ自室にいるのかもしないと思い、広い部屋に見合った長い廊下を歩き、彼の部屋の前に着いた。