溺愛CEOといきなり新婚生活!?
「どうしても花澄に会いたい、俺の気持ちは考えてくれたことある?」
「だから、家に帰れば私はいるじゃないですか」
「いない間、俺のことを考えてくれないでしょ? 小泉先輩のことを想って過ごしてるくらいなら、時間ごと奪って俺のことを考えてほしいんだよ」
どうして、そんなに私を想ってくれるの?
私には雅哉さんがいて、永井さんにも七瀬さんがいるじゃない。
勢い混じりで言い返した私は、無意識に拳にしていた片手を解く。
「……今ならやり直せるって、きっとうまくやれるって、そう思ったりしないんですか?」
口をついて出た言葉を、永井さんは少し不思議に思ったような表情で受け取ると、穏やかに微笑んで頬杖を突いた。
「聞いたの? この前、俺が話してたこと。上手く愛せなかった七瀬のこと、知ったの?」