溺愛CEOといきなり新婚生活!?
失恋している真っ最中なのに、あまりにも永井さんが格好良かった。
雅哉さんがあんな態度だったのに、手を出すことなくお酒をかけただけだったなぁ。
「今思えば、私も彼にお酒をかけてみたかったです」
「花澄の場合、後からなんてことをしたんだろうって気に掛けるから、やらなくてよかったんだよ。それに……俺以外の誰にも、花澄を守らせたくなかった。ただそれだけだった」
「それでも、ありがとうございました。おかげで、あれ以上の傷を負わずに済んだし」
「十分ボロボロの気分でしょ」
その通りだけど、彼のおかげで失恋した夜なのにどことなく明るくいられる。
どうしても雅哉さんとの時間を思い出してしまっても、必要以上に泣いたり恨んだり、思い出に縋ってしまわずにいられるのは、永井さんがいてくれるからだ。