溺愛CEOといきなり新婚生活!?
「それじゃ、出会いに」
「かんぱーい!!」
カラオケ付きの個室ダイニングで、見ず知らずの男性三人と同僚女子四人。あと一人は遅れてくると聞かされたものの、時間通りに集まった男性陣の肩書はそうそうたる顔ぶれだ。
芸能事務所を経営している人や開業医とこんな簡単に知り合えるのかと思い、誘ってくれた同僚に問いかければ、私が二年も彼氏一筋だっただけじゃないかと言われた。
世の中は狭いようで広い。
雅哉さんとの関係が終わったら、私の知らない世界が一歩先にあったのだから。
「花澄ちゃんって、おっとりしてて好きなタイプだなぁ」
「おっとりなんてしてませんよ」
「してるしてる!」
男性に言われて否定したものの、同僚からも肯定されて首を傾げる。
おっとりしてるのかな……。
だから、雅哉さんは苛ついていたのかな……。