溺愛CEOといきなり新婚生活!?

「永井さん、酔ってます?」
「全然」
「……それ、何杯目ですか?」
「まだ五杯だよ」

 隣に座ってもひたすらハイボールを飲んでいる永井さんは、他の男性陣と違って少しも乱れない。
 反対側に座っている玉田さんは、気分がいいようで少し声のボリュームが大きくなってきた。


「それで、どの男がタイプ?」

 しつこいなぁ。玉田さんの質問はなんとか答えずにうまく交わせたと思ったのにな。


「俺がいいって言ってるけど」
「え!? 今回も永井の一人勝ちなわけ?」

 わざと悔しそうにする玉田さんを横目に、永井さんは片方の口角を上げて微笑み、誰にも気付かれないようにテーブルの下でそっと手をつないできた。


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