溺愛CEOといきなり新婚生活!?
「どこに行くんですか?」
「帰るだけだよ。同僚の子には俺と飲みに行ったって、明日にでも報告しておいたらいいよ」
タクシーを捕まえて、揃って乗り込む。
告げられた行先は、間違いなく二人で暮らすマンションだ。
「私、まだこの生活を続けてもいいですか?」
「いいよ。八月二十日までだけどね」
「……」
今、どんな答えを期待してたんだろう。
ずっと隣にいてって甘い言葉をかけてほしかった?
「お酒のせいです……今の質問、気にしないでください」
「分かった」
信号に一度も引っかかることなく、まっすぐに大通りを走るタクシーの中、永井さんはどういうわけか手をつないだまま離してくれなかった。