溺愛CEOといきなり新婚生活!?
雅哉さんは、どう思っているんだろう。
平気じゃないって言ってくれたけど、本当にそう思っているなら、こんなことのために両手を合わせて懇願しないんじゃないかな……。
「きちんとお別れしてからじゃなくて、大丈夫なんですか?」
「二ヶ月も前に別れましたよ。でも、なかなか受け入れてくれないので、もう一度明日にでも話をつけるつもりです」
彼は私を真正面から見つめてくる。
ほんの少し色素の薄い瞳が、大きな窓から入る陽光でとてもきれいだと思った。
「上遠野さんこそ、お付き合いされている方のお願いとはいえ、随分優しいんですね」
「……彼が、とても困っている様子だったので」
「あなたのような人が相手だったら、私の彼女もすんなり別れてくれそうなものですが」