溺愛CEOといきなり新婚生活!?
「ルームサービスがあるから、何か食べたくなったら遠慮なくどうぞ」
「ありがとうございます」
相変わらずバスローブの合わせから胸元が覗いていて、思わず凝視してしまったけれど、気づかれる前に目を逸らした。
抱きしめられた時になんとなく分かっていたけど、逞しくて男らしい体つきだった。そんな身体に今まで抱きしめられていたのかと思うと、胸の奥が騒ぎ出す。
「俺のことばっかり考えてくれてたんだっけ?」
「……何の話ですか」
恍けてみせるけれど、ごまかすのは苦手。私の顔を覗き込んでいる彼は嬉しそうだ。
「俺で花澄がいっぱいになるなら、今度の休みからは一日中キスをして過ごそうかな」
「無理ですよ、食事とお風呂があるし」
「食事の間は無理だろうけど、風呂は一緒に入ればいいんじゃない?」
「そんなのっ……恥ずかしくてできません!!」
あははと笑って、永井さんはとても楽しそうにするけど、私にそんな余裕はない。
一緒にお風呂に入るなんてことがあるとしたら、その時はもう“そういう関係”だろう。
考えただけで頭がのぼせてしまう。想像だけで鼓動が急く。