溺愛CEOといきなり新婚生活!?
「永井さんは、本当に……私が好きなんですか?」
彼が息を飲んだような気がして顔を向けると、大きな影が被さってきて、あっという間に組み敷かれてしまった。
「…………」
何も言わずに見つめ、私の本心が伝わればいいのにと願う。
好きと言ったら、望む関係になれる。でも不釣り合いであることには変わりない。
だから、また相手の想いを確かめてしまう。
こんなやり方、狡いって分かってるのに……。
「言っただろ? 俺はいなくなったりしないって。そんな顔、俺以外に見せるなよ?」
真上から降ってくる甘い声は、独占欲を言葉にしてくれた。
だけど、「好き」の二文字は聞かせてもらえなくて、不安になる。
胸を張って、誰もが認める“永井海都の彼女”になるには、今の自分じゃ足りない。
こんな私がまた恋を始めたら、きっとまた失恋をする。失恋をするのが怖いのではなくて、永井さんとの時間が終わってしまうのが嫌だと思うようになっていた。