溺愛CEOといきなり新婚生活!?

 見つめあっていたら、彼はゆっくりと影を落とし、唇がひとつになった。
 まぶたを下ろす直前、彼の表情がとても切なげで眉間に薄らと皺が寄っていたのを見た。

 ――今、彼はどんな気持ちでキスをしているんだろう。彼の心の中にいるのは、私だけ?

 ふと目を開けると、彼も私を見つめていて思わず互いに微笑み、鼻先同士を掠めあってからまたキスをした。


 こんなに甘い時間を何度も過ごしたら、忘れられなくなる。
 永井さんとの生活が終わってからも、きっと彼を求めてしまうに違いない。

 例えば他の人と恋を始めたとしても、心のどこかで永井さんと比べてしまうだろう。
 こんなに贅沢で、生まれて初めて男の人に大切に扱われて……愛されていると実感できる毎日なんだもの。

 夢のような時間を過ごしたら……もう戻れそうにない。


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