溺愛CEOといきなり新婚生活!?

「おはよう。ねぇ、あれから永井さんと会えた?」
「うぅん、会ってないよ」

 だから連絡先を交換するべきだったと、同僚に軽く責められるくらいで済んでよかったと胸を撫で下ろす。リムジン出勤を目撃されていたら、こうはいかなかっただろう。


「それにしても、今日は随分メイク映えしてるね。お肌も艶々……唇は真っ赤だし。それにすごく素敵な服まで」
「新しく買ったクリームがいいのかも。唇は蜂蜜のパックをしたからかな」
「へぇ……そう。服は?」
「ネットでセールだったから、買ったの。やっと届いたんだ」

 危ないところだった。女子の目はあらゆるところに向けられるということを忘れていた。
 昨日、たくさんキスをして過ごしたせいで唇が腫れていることも、大人デートの満足感で肌艶がいいことも知られたくはない。

 永井さんとの時間は、できるだけ秘密にしたくなるんだ。


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