溺愛CEOといきなり新婚生活!?
「……とはいえ、遊びのないプランは敬遠されますので、まだまだ考えなくてはいけない余地があるのですが」
「そうですね。このままではあまり喜ばれないでしょうね」
遠慮なく意見した永井さんは、眼鏡のフレームを指で持ち上げた。
今まで断られてきた過去は本当だったようだ。それでも今回はいい機会だからと、全員の意気込みが違う。
「販売価格につきましては、弊社ももう少しお客様目線で考え直したいと思っております」
そう付け足した先輩は、まっすぐ視線を返した永井さんに射抜かれたような表情を見せたものの、すぐに資料に目を落とした。
「海辺のチャペルを利用するプランには、サプライズを弊社のほうでご用意いたします。価格ももう少し良心的にしても大丈夫でしょうか。利益のギリギリで攻めて、数が多く出るほうがいいと考えております」
先方の担当者が話しているのに、私は彼を見つめてしまう。
仕事をしている永井さんが素敵すぎて……。
ハッとして逸らしたけれど、もう一度視線を向けると微笑まれてしまった。