溺愛CEOといきなり新婚生活!?
互いに課題を持ち帰って、来週までに練り上げて担当レベルで進捗させることになり、会議は順調に終わった。
見送りのためにエレベーターへと向かう。
社内を永井さんが歩くと、通りすがった社員たちは足を止めて会釈をしてから、その姿を焼き付けるように見ている。
……私、本当にすごい人と一緒に暮らしてるんだなぁ。
私なんかより、七瀬さんを選ぶ気がするのも頷ける。誰もが納得するような相手じゃないと、永井さんには釣り合わないんだ。
今から何か手に職をつけて、七瀬さんに対抗しようとは思わない。
だけど、私なりに自分を磨かないと、サンプリングマリッジが終わった時にすごく後悔するような気がする。
彼の想いが私だけに向けられていると確信が持てなくても、自分の気持ちを告げられるくらいの自信が欲しい。
彼の二歩後ろを歩きながら、その大きな背中を見つめた。