溺愛CEOといきなり新婚生活!?
すぐに離れるつもりだったのに、抱きしめられて動けなくなった。
重なったままの唇は角度を変えて、求めるように彼が食む。
室内に響くキスの音がとても甘ったるくて、次第に私の唇がとろけるように熱を持った。
「罠にかけてごめんな」
吐息混じりに囁かれて目を開けると、朝九時の陽光を少しだけ浴びた彼が艶っぽく私を見つめていた。
「……怒ってる?」
困らせてみようと思って一度だけ頷くと、彼は私のうなじを優しくつかんで再びキスをする。
キスの合間に目が合うと、目を細めて微笑んでくれた。
「許してよ。花澄とキスしたかっただけなんだから」
それだけできゅんと鳴ってしまった胸の奥は鼓動を速め、いつの間にか繋がれていた手に指が絡むと、さらに加速した。