溺愛CEOといきなり新婚生活!?
何度も何度もキスをして、唇の感触と吐息だけを交え続けた。気付けば十時前で、私を抱きしめたままでいた彼が腕の力を緩めて起き上がった。
こんな甘い朝を過ごしたら、私の気持ちなんて知られただろう。
キスをしても避けないし、彼と一緒にベッドでまったりとしているなんて、彼女がすることだ。
「ランチに出よう。その後は花澄の行きたいところ、どこでも連れて行くよ」
着替えてメイクを済ませてリビングに戻ると、先に身支度を済ませてTVを見ていた彼が言った。
彼が運転する愛車の助手席は、居心地があまり良くない。
昨日七瀬さんを乗せたと知って、どうしても妬いてしまうのだ。
「…………」
「急にだんまりだね」
だって、私を本当に想っていてくれたら、車に乗せたりしないんじゃないかなって思うから……。