溺愛CEOといきなり新婚生活!?

「まだ出会って少ししか経ってないし、七瀬さんに比べたら彼のことを何もわかってないと思うけど、それでも釣り合わないなんて言われたくなくて……」

 声は震えてるし、手を握ってないと言えないなんて弱々しく見えるかもしれないけれど、ドキドキする鼓動に後押しされるように、次々と想いが溢れだす。



「本当のことを言うと、私も海都が好きよ」
「っ!!」

 やっぱりそうだったんだ……。だけど、ここで引くわけにいかない。
 でも、もしかしたらって予想はできていたのに、本人から言われると動揺は隠せなかった。


「だけど、もう戻れない。私はシェフになる夢のために、彼との恋を終わらせたの。それも一方的に……。でもね、付き合ってる時から彼女で居続ける自信はなかったなぁ。ずっと好きでいられるかどうかも」
「どうしてですか?」

 窓から見える手入れされたテラス席と庭を眺めながら、七瀬さんは懐かしむように話し続ける。


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