溺愛CEOといきなり新婚生活!?
「あなたみたいに、純粋に彼を想っていられるのが羨ましかっただけなんだと思う。自分の夢とか彼の周りのことに逃げたりしないで、ただ彼が好きだからって堂々とデートしてたのがとても羨ましかった」
ジャスミンティーがカップに注がれ、香り立つ匂いに深く息を吸った。
「私は、七瀬さんみたいに自分の脚で立っている強さのある女性が、彼の隣にいるべきなんだろうなって思っていたので……」
七瀬さんが私を羨むなんてことはないと思っていた。
私じゃ釣り合わないって、自分でもそう思っていたから納得せざるを得なかった。
ただ、彼を好きでいるだけなのに、どうしてそんなふうに言われるのかわからない。
「誰に遠慮してるの? 何が怖くて足踏みしているの?」
「…………」
「海都を本当に手に入れたいなら、遠慮なんて無用よ。私のことは気にしないで、足踏みせずにぶつかってみたほうがいいと思う」
七瀬さんのその言葉から、何にも代えがたい勇気をもらえた気がした。