溺愛CEOといきなり新婚生活!?
七瀬さんのお店を後にして、彼は大通りに車を走らせる。
「……いつの間にご機嫌が直ったの?」
「秘密です」
私と七瀬さんが話したことは、暗黙の了解で秘密だ。
女同士の友情はひと波乱の後のほうが強くなったりするもの。もちろん、波乱なんてなく仲良くいられるのが一番だけど、彼女とは永井さんと知り合わなかったら出会うこともなかっただろう。
「本当、女ってわかんないね。花澄にも振り回されっぱなしだし、七瀬も何を考えてるのか今でもわからないところがあるし」
「そんなに難しくもないですよ」
「そう?」
昨日、同僚と来た表参道にあるパンケーキ店の前を通り過ぎ、日々多くの車が行き交う国道を渡って少し走ると、彼は駐車場に車を入れた。