溺愛CEOといきなり新婚生活!?
日頃自炊をしていてよかったと、こういう時に思う。
野菜を適当な大きさに切りつつ、鍋で茹でているパスタの様子を見ながら、フライパンでソースを作る。
「手際がいいね」
「いつも作ってるので」
「俺の彼女とは大違い」
切った野菜をフライパンで軽く炒めながら、永井さんを見上げる。
「一緒に住んでるんですよね? だったら、料理くらい作ってくれたりしそうなものですけど」
「ないよ、一度もね。俺の金で外食するのが当然と思ってるような女だから」
どういう言葉を返せばいいのかわからず、黙々と野菜とベーコンを合わせる。
「上遠野さんは、どうして今の彼を選んだの?」
「もともと、取引先の方なんです。私がミスをして謝罪に伺った時、とても優しくしてもらえて、そのあと食事に行くことになって……それから、仲良くなったんですけど。話しててとても博識で、いろんなことを教えてもらえるし、紳士的だし……」
私が雅哉さんとの馴れ初めを話すと、永井さんはふっと笑った。
「相当好きなんだね、彼のこと」
「……それは、まぁ」
「本当、なかなかの献身ぶりですね」