溺愛CEOといきなり新婚生活!?
「ちゃんと俺が守るから、この手離すなよ?」
「はい」
繋ぎ直された手は、緩く指が絡められて恥ずかしくなる。
思わず顔を伏せると、彼の人差し指が私の顎先に触れ、斜め上に引き上げられた。
「そろそろ、俺とキスしたくなってない?」
「っ!!」
八月の日差しと同じくらい熱い彼のまなざしに、胸の奥が焦げてしまいそう。
「していい?」
「…………」
長身から微笑みと共にキスが舞い降りてきて、時間が止まったように感じる。
触れた唇が火傷をしたみたいだ。
一度離れた感触にゆっくり目を開けると、彼はいたずらっこのような笑顔でまたキスをしてきた。
「そ、そういうの、狡いって言うんですよ」
「そうなの?」
彼は公衆の視線を全く気にせず、とても嬉しそうに私の手を引いて堂々と歩いてくれた。
時々、私を優しく見下ろして様子を伺いながら。