溺愛CEOといきなり新婚生活!?
七瀬さんの存在は、相変わらず大きい。
彼の過去も今も知っていて、それでも誠実な人だと太鼓判を押してくれた、私のライバルでもあり理解者だと思ってる。
彼女はどう思っているかわからないけど……嫌われてはいないだろう。
【今日、一緒にディナーでもどうかな。仕事が忙しかったら無理しないで】
ランチを済ませ、十六時を回った頃に永井さんからメッセージが届いた。
サンプリングマリッジのアプリは、今となっては日記をつけるだけのツールになり、連絡先を交換してからというもの、彼もプライベートのメッセージを送ってくれるようになった。
【楽しみにしてます。私は十八時くらいには終わると思いますが、永井さんこそ忙しくされてませんか?】
【おかげさまで今日もそれなりに忙しいけど、九条を迎えに出すから会社においで】
九条さんのお迎えは気が引ける。朝送ってもらうのも、申し訳なくて遠慮してるし……。
【自分で行きますよ。正面から入っていいですか?】
【お願いだから九条の車で来て。絶対だよ】
そこまで言われたら、さすがに従おうと思った。
だけど、どうして私のために九条さんの迎えを出してくれるのか、毎回不思議でならない。