溺愛CEOといきなり新婚生活!?
「驚かせてごめんね」
今にも泣きだしそうな私の手を取り、やんわりと握ってくれた彼を見上げる。
「なんでそんなに素敵なんですか……」
「今日は特別だから」
にっこりと微笑む彼は、今日もいたずらっ子みたいに笑う。
私を驚かせてばかりで……その全てが私のためで。
彼が笑ってくれると、私まで笑顔になれて……。
八月二十日、午前十時。
時を知らせる鐘が鳴って、彼はゆっくりと深く息を吸ってから私を見つめ直した。
「今日は、花澄に伝えたいことがあります。俺の気持ちを聞いてもらえますか」
「はい」
緊張と予感で高鳴る胸が、私の声を震わせる。
こわれものを扱うように繋がれた手は、彼の温もりとひとつになってきた。