溺愛CEOといきなり新婚生活!?
「昨日、ごめんね。初対面なのに言い過ぎた」
「私の方こそ、言い返してしまって……不快に思われたのではと」
「そんなことはないよ」
不意に謝られて、食器拭きを手にしたまま隣に立つ彼を見上げると、小さく首を振っている。
人の心や恋愛に遠慮なくズカズカと入ってくるタイプかもしれないと思っていたのに。
「ちょっと羨ましかったんだ。上遠野さんみたいな人に愛されてる彼のことが。それなのに、この企画によこすなんてどういうことなのか理解できなくて、いい気分はしなかった。それでつい妬いちゃって」
永井さんだって、好いてくれている彼女がいる。別れようとしているけれど、もう一度向き合って気持ちを確かめ合わないのだろうか。
私が雅哉さんに尽くすのは、それだけ愛情を感じるから。一緒に過ごしている時間は、何物にも代えがたい素敵な思い出ばかりだ。
「昨日、私は甘いって否定してたじゃないですか」
頭の中でいろいろ考えつつも、辻褄のずれが気になった私は思わず言い返す。