溺愛CEOといきなり新婚生活!?
「お疲れさまでした。お打ち合わせはいかがでしたか」
「順調。御門の希望も通せるようにしておいたから、あとで向こうの秘書から連絡があると思う」
「かしこまりました」
打ち合わせが終わるまで特別応接室の外で待っていた私は、エレベーターに乗って下降する間、彼に尋ねた。
御門建設は日本一のスーパーゼネコン。
今度、イタリアとバリに大型リゾートホテルとチャペルを建設するにあたり、日頃から懇意にしている。
「さて、打ち合わせの電話が入る頃か」
「そうですね。こちらをお持ちになられてください」
社長に遠隔会議用のタブレットとイヤホンを手渡し、彼の自宅へと車を走らせた。
最近引越しが完了した低層の高級マンションは、閑静な住宅街にある。目の前は都内でも有数の大きな公園で、緑にも恵まれた環境だ。
「それでは、私はこちらで失礼いたします」
マンションの車寄せで社長を下ろし、一礼してから背中を見送る。