溺愛CEOといきなり新婚生活!?

 返信がないだけでこれだけ気持ちが落ちてしまうのは、雅哉さんが好きだからだ。
 勝手に想像を膨らませてムッとしてしまう癖も、彼に直すように言われたっけ……。

 三十畳と聞かされたリビングの窓際に据えられたソファで、携帯を手にテレビを観る。大して興味のわかない番組ばかりで、地上波から衛星放送に切り替え、海外のドラマに局を合わせたところで落ち着いた。

 見終わったころには、すでに夕方を迎えていた。五月の空はまだまだ明るいけれど、携帯の時計は十八時になろうとしている。
 ソファの上で大きく伸びをして、そのまま仰向けに寝転んだ。
 L字型のソファは心地いい。一辺がベッドのようになっていて、このまま掛け布団さえあれば眠れそうだ。

 サンプリングマリッジをお願いされた上に、放っておかれている私って、一体なんなの?
 せっかくの週末に、この広くて住み慣れない部屋で、ひとりぼんやり過ごすなんて。


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