溺愛CEOといきなり新婚生活!?

「瀬戸さん、今夜のご予定はいかがされているんですか? もしよろしければお食事にでも」
「是非!」

 とても嬉しそうにしてくれて、心の底からホッと息をつく。
 香港に行っている間、他の男に手を掛けられ染められないかと、落ち着く日はなかった。




「九条、今日は彼女と出かけるんだろ?」
「はい」

 永井社長は私のことなんてお見通しだ。


「やけに今日は仕事が早いからな。何時だ?」

 彼女と再会した嬉しさで、いつもより倍速で仕事も済ませてしまった。
 何が食べたいかとメッセージを送ったら、すぐに返事が返ってきて頬が綻んでしまい、いつになく気分が高揚している。


「時間は決めておりません。仕事を優先してくれているので」
「九条に会わせるために、彼女を帰国させたんだから、仕事は大体のところで切り上げなさい」
「そうは言われましても」
「後のことは、私がやっておくからいい。早く行きなさい」

 永井社長に深々と頭を下げ、隣の秘書室へと戻った。


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