溺愛CEOといきなり新婚生活!?

「どなたかお客様がいらしてるんですか?」

 エントランスロビーを出ると、用意されていたリムジンが堂々と停まっていた。


「いいえ。いらしていれば私もまだここには来ておりません」
「そうですよね……。それにしても本当に素敵なリムジン。豪華だけど、嫌みがないのはどうしてかしら」
「持ち主の品ではないかと思いますよ」


 永井社長の暮らしぶりは、CEOらしいもの。
 派手と言われたらその通りだけど、誰かに見せびらかしたり、権力を誇示するようなことはない。

 彼の人柄は業界でも評判がよく、目上からも可愛がられている。
 そういうところは大いに学ぶべきところで……。


「今日はこのリムジンで、出かけましょう」
「えっ!?」

 社員が乗ることは決してないと彼女もわかっているからこそ、とても驚いたようだ。


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