溺愛CEOといきなり新婚生活!?
初めて乗ったらしい彼女は、車内を見渡している。
実際、乗り慣れてしまうとなんてことはなくなるのだが、これが普通の感覚なんだと思う。
生まれた家が地主だったというだけで、俺の生活はスタートした時から少し違っていた。
幼稚園から受験させられ、そのまま大学へ進学したり。
習い事は自分が行くのではなく、向こうが家に出入りしていた。
広い家には、家政婦が四人。
幼い時は家族が多いものだと思っていたが、物心ついたらそうではないと知ったし、普通の家庭にはいないこともわかった。
やりたいことを好きなだけやらせてもらったし、行きたいところにも行った。
そのすべてが、世間とかけ離れてしまっていることもあって……永井社長の元にへ父が送り出したのだ。