溺愛CEOといきなり新婚生活!?
同僚として時間を重ねていた中で、デートや連絡を取り合ううちに知られてしまった俺の本性。
社長付秘書兼運転手としての姿しか知らなかった彼女は、もちろん驚いていたようだけど、すんなり受け入れてくれた。
“九条さんが、引っ張って行ってくれるタイプの方だって分かってよかったです”なんて言われたら、一層俺の気持ちに火が点いてしまって……それから数か月したら遠く離れて。
こうして一緒にいると、今日から出会った日までの出来事が時系列を無視して、どんどん浮かんでくる。
「今日は、ゆっくりできる?」
「はい」
想いを通じ合わせた香港の夜は、現地で彼女と働く人間もいて、二人きりになれたのは一瞬だった。
本当なら、身も心もひとつに繋いでしまいたかったのに……。
上品な顔立ちに透き通るような白い肌。
小さな鼻と唇。
ゆっくりと顔を傾けて近づけ、初めて彼女のやわらかな頬に口づけた。