溺愛CEOといきなり新婚生活!?

「寂しいなぁ……」

 ぽつりとこぼした感情は、とても素直だ。
 雅哉さんにかまってほしい。できれば、雅哉さんとデートがしたい。
 日曜に会ったのは、いつだったかな……。ここのところ、ずっとデートは平日の仕事の後が多くなってきている。

 再び携帯を見ても、連絡はない。
 雅哉さんからの連絡なら、きっと眠る頃になる。いつもそうだ。忙しいときは二十二時過ぎに何かしら送ってきてくれる。


「永井さんは……帰ってくるのかな」

 ふと口にした彼の名前は、自分でも驚くほど自然で。
 彼女と別れていようと、思い直してうまくやっていようと私には関係ないのに、気付かぬうちになんとなく帰宅を待ってしまっていた。



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