溺愛CEOといきなり新婚生活!?
「詳しくは後で話すけど、俺が一緒に来るのは父親か社長だけ。それにいくら離れてるからって、梓以外の女には興味の欠片もないよ」
「……本当に?」
「嘘だと思うなら、信じられるまでいくらでも疑って構わない」
キスをしたい。
仄暗い空間で、ふたりきり。
館内に流れる厳かなクラシックが聞こえる中、その唇を激しく奪って溶かしてしまいたい。
そう思ったけど、いまキスをするのは少し狡いかと思ってやめた。
口づけで信じ込ませるような男にはなりたくない。
「こんばんは、九条さま」
レセプションの男性とも、顔が知れている。
案内してもらったソファ席に座ると、スタッフがメニューを持ってきてくれた。