溺愛CEOといきなり新婚生活!?

「詳しくは後で話すけど、俺が一緒に来るのは父親か社長だけ。それにいくら離れてるからって、梓以外の女には興味の欠片もないよ」
「……本当に?」
「嘘だと思うなら、信じられるまでいくらでも疑って構わない」


 キスをしたい。
 仄暗い空間で、ふたりきり。
 館内に流れる厳かなクラシックが聞こえる中、その唇を激しく奪って溶かしてしまいたい。


 そう思ったけど、いまキスをするのは少し狡いかと思ってやめた。

 口づけで信じ込ませるような男にはなりたくない。





「こんばんは、九条さま」

 レセプションの男性とも、顔が知れている。
 案内してもらったソファ席に座ると、スタッフがメニューを持ってきてくれた。


< 343 / 378 >

この作品をシェア

pagetop