溺愛CEOといきなり新婚生活!?

「ワインは飲める?」
「好きです」
「じゃあ、ワイン。赤でいい?」
「はい」

 それから、彼女が食べたいものを何でも。


「九条さん」
「なに?」
「ひとつ、叶えたいことがあって……」

 なんでも叶えてあげる。
 世界一周の旅がしたいなら、客船の予約もする。
 東京に俺たちの家がほしいなら、どこかいい物件を探してすぐに手に入れる。

 俺の気持ちがほしいなら、今すぐにでも……。



「名前で呼んでもいい?」
「……いいよ」

 きっと俺が照れるだろうから、なるべく避けてきたけど、とうとうこの時が来たか……。


「晴馬さん……」
「うん」

 あぁ、ダメだ。理性が飛びそうなくらいに梓がかわいい。
 俺の名前を言っただけで、我慢してきた色々に火が点く。


< 344 / 378 >

この作品をシェア

pagetop