溺愛CEOといきなり新婚生活!?
「ワインは飲める?」
「好きです」
「じゃあ、ワイン。赤でいい?」
「はい」
それから、彼女が食べたいものを何でも。
「九条さん」
「なに?」
「ひとつ、叶えたいことがあって……」
なんでも叶えてあげる。
世界一周の旅がしたいなら、客船の予約もする。
東京に俺たちの家がほしいなら、どこかいい物件を探してすぐに手に入れる。
俺の気持ちがほしいなら、今すぐにでも……。
「名前で呼んでもいい?」
「……いいよ」
きっと俺が照れるだろうから、なるべく避けてきたけど、とうとうこの時が来たか……。
「晴馬さん……」
「うん」
あぁ、ダメだ。理性が飛びそうなくらいに梓がかわいい。
俺の名前を言っただけで、我慢してきた色々に火が点く。