溺愛CEOといきなり新婚生活!?

「さっき、後で話すって言ってたことはなんですか?」
「あぁ……。梓には話しておこうと思ってたことなんだけどね」

 今まで付き合ってきた女たちは、俺の家柄を聞いて目の色を変えた。
 永井ホールディングスに勤務していると知っただけでも、食いつきがよかった彼女たちが本性を現した感じがして……興ざめして、ほどなくして別れてきた。



 ワイングラスを置くと、彼女も食事の手を休めて姿勢を正した。


「九条家って言ったらいいかな……。知ってる人は知ってるんだけど」
「永井社長も?」
「社長はよく知ってる」
「うーん、なんだろう。代々続く商売をされているとか?」
「近いかな。俺の家は平たく言うと不動産関連。あちこちに土地を持ってて」

 梓はどんな反応をするだろう。
 きっと彼女は、俺が気にするようなタイプじゃないって分かってるけど……。


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