溺愛CEOといきなり新婚生活!?
「……じゃあ、いつか私がまた日本以外のどこかに転勤しても、一緒にいてくれる?」
「どこへでもお供しますよ」
ホッとした様子で、残っていたワインを開けた彼女は、保っていた姿勢を突然崩して背もたれによりかかった。
「大丈夫か?」
「うん……ちゃんと歩いて帰れます」
元からそんなに強くないのは知っていたけど、美味しいから飲みたいと言われて止めなかった。
キープしていたワインのうち三本を開けてしまってから、飲みすぎたかもしれないと気付くほど、俺も楽しかったんだ。
とはいっても、二本は俺が飲んだ。いつもなら、もう一本くらい開けているかもしれない。父親も社長も酒は好きだし、俺以上に強いから。
テーブルにスタッフを呼んで、会計してほしいと告げる。
「ご馳走様でした」
「私もいくらか出させて」
「いいよ、梓はいてくれるだけで」
艶黒のカードを渡し、手続きを終えて席を立つ。