溺愛CEOといきなり新婚生活!?

 百五十センチちょっとの小柄な彼女と、百八十五センチの大柄な俺。
 ピンヒールで歩く彼女の足元が心配で、そっと腰に手を回して支えると、照れた顔で梓が見上げてきた。


「本当はね、心配だったの」
「なにが?」
「晴馬さんが、本当に私を好きでいてくれてるのか、信じ切れてなかった」
「どうして?」
「だって……知らないの? 晴馬さん、社内で社長と同じくらい狙われてるって」
「俺が? まさか!」

 そんなはずはない。ただの社長付秘書兼運転手に、興味を持つような人はいないだろう。
 職業柄、他の社員のように砕けて接することもなければ、狭い範囲で付き合いのある社員と飲みに行くくらいしかない。

 俺が社長といるから寄ってくるんだとばかり……。


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