溺愛CEOといきなり新婚生活!?
秘密のデート
永井さんの行きつけの料亭を訪れてから二日。
二日も経って、雅哉さんは連絡をよこした。
私がその間無言を貫いたから、明らかに機嫌をうかがっている様子だったけど、彼なりに気まずさはあるのだろう。
【初対面のふりをしたのは、同席していた取引先の方に、プライベートを話す必要がなかったからだよ】
なぜ、私を他人扱いしたのか問いただすと、冷静にこんな返事が返ってきた。
本当かどうか昼休みに電話をかけたけれど、タイミングが悪かったのか呼出音がなるばかりで、通話は叶わなかった。
「どうしたの、ため息ついて」
同期とランチを取る間も、自席で仕事をする間も、隙をついてため息が漏れてしまう。
どうしたのと聞かれても、雅哉さんとの交際は秘密にするように言われているから、単に考え事をしているだけとごまかすしかなかった。