溺愛CEOといきなり新婚生活!?
【今週の木曜か、来週の土曜なら空いてる】
【じゃあ、両方会いたいです。木曜は仕事の後に食事でも。土曜はどこかに出かけたいです】
分かったと言って、彼はメッセージのやりとりを終えてしまった。
もうちょっと私を気にかけてくれるのかと期待していた分、がっかりしてしまう。
永井さんが相手だから、本当に安心しているの? 離れている時間、他の男性と過ごしているのに平気なの?
「ただいま」
「おかえりなさい」
夕食は外で食べてくると、アプリでメッセージを送ってくれていた永井さんは、二十二時過ぎに帰ってきた。
「お酒飲んできたんですね」
「うん、ちょっとね」
「お疲れさまでした」
ウォーターサーバーから冷水を注いで一気に飲む彼にそう言うと、深く息をついてから微笑んでくれた。
「ありがとう。上遠野さんに言われると、すごく癒される」
腕にかけていたジャケットとビジネスバッグを持って、自室へ向かう彼の背中は一日働いた男らしさが目に見えるようだ。
雅哉さんは、ひとりで暮らす自宅で誰にも出迎えられることがないのだろうか。
今まで一度も自宅へ呼んでくれないのは、家ではひとりで過ごしたいというこだわりがあるだけ?