寵姫志願!? ワケあって腹黒皇子に買われたら、溺愛されました
第一章 舞姫の旅立ち
短い夏が終わり、村には実りの秋が訪れようとしていた。空は高く澄み渡り、山からはひんやりとした心地のいい風が降りてくる。
今日は年に一度の収穫祭だ。村のみなが集まり、賑やかに酒を酌み交わす。貧しい暮らしの中では精いっぱいのささやかなご馳走も並べられている。祭壇の前では、数名の年若い乙女たちが神に捧げる舞を披露していた。
みなの注目を一身に集めているのは真ん中で踊るリディアという名の少女だった。陽光のように明るくきらめく金の髪と、頭上に広がる澄んだ空を映したかのような青い瞳が印象的な愛らしい娘だ。
音楽が鳴りやむと、緊張感から解放されたリディアはほっと息をついた。
十七歳になったばかりの彼女は今年が初めての参加にもかかわらず、一番神に近いとされる祭壇の正面で踊るという大役を任されていたのだ。踊り終えた少女たちが一礼すると、観客からは歓声と盛大な拍手が贈られた。
「リディアの舞は別格だな。こんなにうまい娘は見たことない」
「その通りだ! 歴代一番の出来だったな」
「こりゃあ、来年は豊作間違いなしだ」
今日は年に一度の収穫祭だ。村のみなが集まり、賑やかに酒を酌み交わす。貧しい暮らしの中では精いっぱいのささやかなご馳走も並べられている。祭壇の前では、数名の年若い乙女たちが神に捧げる舞を披露していた。
みなの注目を一身に集めているのは真ん中で踊るリディアという名の少女だった。陽光のように明るくきらめく金の髪と、頭上に広がる澄んだ空を映したかのような青い瞳が印象的な愛らしい娘だ。
音楽が鳴りやむと、緊張感から解放されたリディアはほっと息をついた。
十七歳になったばかりの彼女は今年が初めての参加にもかかわらず、一番神に近いとされる祭壇の正面で踊るという大役を任されていたのだ。踊り終えた少女たちが一礼すると、観客からは歓声と盛大な拍手が贈られた。
「リディアの舞は別格だな。こんなにうまい娘は見たことない」
「その通りだ! 歴代一番の出来だったな」
「こりゃあ、来年は豊作間違いなしだ」
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