想い人
0章◆君二贈ル詩
白い一冊のノート。
表紙を開き1ページめくると弱々しい手で
ゆっくりペンをはしらせる。
『 隣にはいつも君がいて。』
そんなフレーズから始まるこのノート。
これには私の夢がいっぱいいっぱい詰まっている。
君との将来を想像するだけで
すごく幸せな気持ちになれたんだ。
ふと、病室の窓から吹き込んだ風で
カーテンが儚げに揺れた。
今からここに綴るのは君に贈る私の夢。