一夜の。
気持ちを聞かせて
「M社だけじゃない。うちの会社を支えている取引先との契約は全て10年以上の長期契約に変えた。
これで親父のいう安定は取り戻せた。
これが俺なりの覚悟だから。」
親父は
驚いた顔をしていた。親父のこんな表情を見たのは初めてだ。
親父はそのあと無言で部屋の受話器を取った。
「俺だ。例の件 白紙に戻すように伝えとけ。」
よっしゃ!!
受話器を置くのも待てず、親父に駆け寄った。
「ありがとう!親父。」
「チャラチャラ遊び呆けていた頃とは見違えるように変わったな。
お前の本気は十分なほど伝わった。
勝手に話を進めてしまって、悪かったな。」