一夜の。
「ただ俺は優しくないよ?ミク。」
俺がそう言って キスを落とすと。
また有馬ちゃんの目から涙がこぼれた。
あの男は有馬ちゃんをミクっと呼んでいた。
だったら俺も呼んであげる。
有馬ちゃんが彼を思い出しやすいように。
「好きです。大好きです。」
俺の腕の中でそう言いながら泣いていた有馬ちゃんを見て 心が潰されそうになった。
俺の中で 別の男をなんて。
やっぱりカッコつけなければ良かった。
胸が潰れそうだ。