一夜の。
信じて
俺の社長室に向かう、足音が1つ。
あ。有馬ちゃんだ。
ガチャン
「おはよ〜、有馬ちゃん。」
「おはようございます。社長。」
うわっ。
ビシッと伸びたスーツに 綺麗に纏まった髪。
表情はいつも通り 無表情で
油断も隙もない、秘書。
ここまで完璧に切り替えられると
俺もやっぱりさみしい。
「体調はどう?平気?」
「えぇ。ご心配には及びません。」
昨日の事を少しでも覚えているのだろうか。
と、思ってしまうほど 他人行儀だ。