一夜の。
つれないなぁー。有馬ちゃん。
それじゃあ俺が楽しめない。
「わっ!」
「捕まえたー!」
有馬ちゃんを後ろから抱きしめる。
少しでも有馬ちゃんにドキドキしてほしいから。
「社長。離してください。
それと亜里沙さんという女性からお電話がありました。
本日の夜 社長をディナーにお誘いしたいと。」
それなのに。有馬ちゃんは
冷静かつ無駄のない口調で
業務の話以外 言葉を発さない。
嫌じゃないの?
「俺が他の女とディナーにいっても
何にも思わないの?」