一夜の。


「…いえ、私も同じ事思ってましたので。」


有馬ちゃんを見ると、目が合った。


「目閉じて。」


赤信号で止まってる一瞬。

俺は触れるだけのキスをした。


「今日は優しく出来ないかも。」


唇を離し そう言うと、有馬ちゃんは


「望むところです。」


また試すような悪い笑みを浮かべた。


もう知らないよ。




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