一夜の。


余裕なんてあるわけない。

有馬ちゃんを前にしたら俺は

嬉しくて すぐにでも抱きしめてしまいそうな葛藤に襲われる。


仕事の時でも 疲れた時には

有馬ちゃんに触れて癒されたい。


「出来ましたよ。これ運んでくれますか?」


そんなことをボーッと考えてるうちに

いい香りが漂って来た。


「え、こんなに!?」


こんなにっというのは、量ではなく

品数の話だ。


俺 普段、料理はしないから冷蔵庫に入ってるものなんて かなり少ないのに。


色あざやがに食品が並んでいる。


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