一夜の。
棘
「社長。ミナミさんという女の方が受付の方にいらっしゃってます。
通してもよろしいですか?」
今日も俺の知らない女。
まぁ遊んでた時期もあったし
結局は自業自得なんだけど。
有馬ちゃんは何とも思わないのかなぁ。
なんて事まで思っちゃう。
今日も可愛い。
びしっとまとまった髪の毛はうなじが見えて妙に色っぽい。
「通して。」
嫉妬してほしい。ただその一心でどうでもいい女との面会を受けるなんて。
我ながら最悪だ。
「かしこまりました。では、応接室へ。」
でも有馬ちゃんは相変わらず お堅い秘書のまま。
この前はあんなに可愛かったのに。
仕事になると表情すら変わらない。