愛しかた
②
呑気な声で「お土産は何が良いか」なんて内容の電話が着たのは翌日の昼過ぎだった。
午前の講義を終え、咲人が待つ大学の駐車場へ向かっている途中でスマホが震えたから出てみれば、悩みの種である人物からだった。
「・・・彼女に電話した?」
『してないけど、どうして?』
この男、本気でそんなこと聞いてきているんだろうか。
どうして?それこそ、どうして?だ。
自分の彼女には連絡せず、ただの身体の関係しかない私には連絡を寄越す。
どうして?いや、理由なんて知りたくない。聞いてしまえば最後、面倒臭い内容が返ってくるに違いない。
「・・・」
『・・・わかった。夜に掛けるよ』
「そうして」
そこで切ろうとしたら、先を越された。
『それで、お土産は何が良い?』
私が切るよりももう一度問われたこの言葉のが早かった。
「食べ物」
だからそう一言発して切ってやった。
いらないと言わないのは私の優しさだ。
午前の講義を終え、咲人が待つ大学の駐車場へ向かっている途中でスマホが震えたから出てみれば、悩みの種である人物からだった。
「・・・彼女に電話した?」
『してないけど、どうして?』
この男、本気でそんなこと聞いてきているんだろうか。
どうして?それこそ、どうして?だ。
自分の彼女には連絡せず、ただの身体の関係しかない私には連絡を寄越す。
どうして?いや、理由なんて知りたくない。聞いてしまえば最後、面倒臭い内容が返ってくるに違いない。
「・・・」
『・・・わかった。夜に掛けるよ』
「そうして」
そこで切ろうとしたら、先を越された。
『それで、お土産は何が良い?』
私が切るよりももう一度問われたこの言葉のが早かった。
「食べ物」
だからそう一言発して切ってやった。
いらないと言わないのは私の優しさだ。