愛しかた
コンコンと響いたノックの音に緩く返事をすると、綺星ちゃんが顔を覗かせた。

珍客だ。

「どうしたの?」

一体全体どうしたの?!って問いたいところだけど、そんなことはしない。

「優星ちゃん、ちょっと良い?」

心なしか綺星ちゃんの声が少し弾んでいるようにも聞こえて。
安堵のせいか自分の顔が緩む。

良かったと。胸をなでおろす思いで「良いよ。なぁに?」と綺星ちゃんを部屋に迎え入れる。

綺星ちゃんが部屋にあるソファに腰を下ろしたから、私も勉強机からソファへと移動することにした。

「今度の日曜って何してる?」
「え?日曜日?」

・・・やばいぞ。何も予定がない。

「パパに相談して、京真さんを日曜の夕食に誘ったの。優星ちゃん居られる?」

その言葉は、どう聞いても私にも居て欲しいってニュアンスがあるように思う。
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