愛しかた
「そっちも付き合ってもいい？」
「それは構いませんが・・・」
「が？」
「・・・」

これ言っていいの？

「君に気があるかって？」
「あ、そっち？」

そんなの思ってもみなかったんですけど。
と言うかそんなのやめて下さい！迷惑も良いところです！

「ふーん？そっちじゃないのは何だった？」
「・・・失礼なを承知で言えば、意外に暇人なのかなと」

正直に言った途端、浅野さんは豪快に笑い出した。

「いやー参ったね、本当に」
「すみません」
「いいよ、別に。気にしないから。じゃぁ行こうか」

二人でエレベーターホールまで行くと、エレベーターがちょうど上へ行ってしまったところだった。
浅野さんは金縁のボタンを押してから此方を振り返る。

うわ。
本当、嫌な予感。

きっとこの人は良い人なんかじゃない。
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